マネージャーに必要な技術

こんにちは。
今回は技術系の話を書こうと思いますが、いわゆるエンジニアリングとはちょっと異なる技術の話です。
弊社OISには、現在、管理職系と技術職系とふたつのキャリアパスがあります。
私は今、技術系のSCE(サブチーフエンジニア)をやらせてもらっています。
管理系の作業が苦手なことと、個人的に1技術者であり続けたいという想いから、技術系に進ませてもらいました。
技術系の役職に就いているとはいえ、弊社では、いわゆるチームリーダー的立場に就かなくてよいということはありません。
ということで、最近では技術系だけではなく管理系の技術についても勉強しています。
その中で、良い本と出会えたので紹介したいと思います。
沢渡 あまね. マネージャーの問題地図 ~「で、どこから変える?」あれもこれもで、てんやわんやな現場のマネジメント. 株式会社技術評論社. Kindle 版.
こちらの本はマネージャー(管理職)向けに、「管理」についての考え方や、多くの会社でよく挙げられる問題点とその対応の仕方などがわかりやすく説明されています。
ひとことで「管理」といっても、様々な意味があり、日本語の「管理」を英語にすると次の3つに分けられます。
- Management(やりくり)
- Control(統制)
- Administration(事務執行)
日本の会社でいうところの「管理職」はこのすべてを1人に求めがちで、その結果、機能不全に陥りがちであると、この本では書かれており、次のように続きます。
この3つに求められる要件も違えば、遂行に必要なスキルもメンタリティも異なります。1人で全部できなければ、役割分担すればいいのです。
また、マネージャーが本来何をするべきなのかということで、これからの時代にとって重要で、かつ日本の組織に弱いマネジメントとして5つのマネジメントを挙げています。
- コミュニケーションマネジメント
- リソースマネジメント
- オペレーションマネジメント
- キャリアマネジメント
- ブランドマネジメント
そして、これらのマネジメントに求められる9つの行動を定義しています。
- ビジョニング
- 課題発見/課題設定
- 育成
- 意思決定
- 情報共有/発信
- モチベート/風土醸成
- 調整/調達
- 生産性向上
- プロセス作り
以上を踏まえて、丁寧に解説されています。
この本を読み終えて私が思ったことは、この本はマネージャだけでなく、社会人すべての人が読んだ方がいいのではないかということです。
マネージャー層がどういうことを悩んでいて、チームや組織としてどう解決していいのかが書かれています。
以上です。
下にこの本の目次を載せますので、少しでも興味がある人は読んでみることをお勧めします。
人に勧められる良書に出会えるのはとても幸せですね。
※以下の目次は上記のリンク先からの引用です。
(目次)
はじめに 「残業させるな」「予算目標は達成しろ」「部下のモチベーションも上げろ」いったいどうすりゃイイんですか!?1丁目 モヤモヤ症候群
- 組織の最大の敵,それは「モヤモヤ」
- 「目的を明確にする」それがマネジメントの第一歩!
- 不安が不満を生み,不信に変わる
- 意識合わせより「景色合わせ」
- 上位ビジョンやポリシーを理解する
- チームのビジョンやポリシーをメンバーに示す
- ビジョニングの場を設ける
- ニュースレターをビジョン・ポリシー伝達手段として活用する
- 仕事を振ったら,必ず情報を与える/アップデートする
- コラム 課長の景色,部下の景色
2丁目 何でも自分でやってしまう
- 何でもかんでもマネージャーが抱えてしまう背景5つ
- マネージャーの仕事抱え込みは,組織も個人も幸せにしない
- まずは,マネージャーの仕事のたな卸しを!
- マネージャーとしての仕事を部下に任せてみる
- マネジメントを外注するのもあり
- 仕事を任せるために心がけたい5つのこと
- マネージャーは「ピンチヒッター要員」にすぎないと心得る
3丁目 コミュニケーション不全
- コミュニケーション不全は万病の元
- 「コミュニケーション」「情報共有」は2大思考停止ワード
- コミュニケーションは設計8割,スキル2
- 「情報共有」よりも「情報発信」,その指針を示す
- マネージャーやリーダーが背中をみせるための7つのコツ
- 非対面のコミュニケーション機会も設けよう
- コミュニケーション活性やムードメーキングは若手に任せる
- 遊びの要素も取り入れてみる
- コミュニケーション活性のポイントは「手を変え」「品を変え」「景色を変え」
4丁目 モチベートできない・育成できない
- 中堅社員,若手社員はこう思っている! 生の声を一挙公開
- あなたの何気ない行動や無思慮が,部下のモチベーションを下げている!
- 本音を言えない4つの背景
- 経営層やマネージャーが言ってはいけない「滅びの言葉」5つ
- とにかく,マネージャーはこの4つをやってください!
- マネージャーの常識=部下の非常識。常識をアップデートしよう
- チームで「やりたいことリスト」「苦手なことリスト」「好きなことリスト」「得意なことリスト」を作ってみる
- 1割だけ,その人の好きな仕事や得意な仕事を任せる
- 本音を「言える化」するには,「手を変え」「品を変え」「景色を変え」よう
- 部下は本音を言わない。だから上司から本音を言うのだ
- チームのスキルマップを書いてみよう
- 部署名やチーム名をわかりやすくす
5丁目 削減主義
- 「コスト削減」「時間削減」がこんな不幸をもたらす
- なぜ起こる? 行きすぎた削減主義
- 生産性に対する大きな誤解2つ
- 会社のお金は使ってなんぼ! ケチな組織で人は育たないし,優秀な人も集まらない
- 「コスト削減にモチベートされる人はいない」この事実と向き合おう
- めんどくさい仕事を削減するための3つのアクション
- しょせん会社のお金。賢く正しく使う!
6丁目 気合・根性主義/目先主義
- 気合&根性カルチャーがもたらす悲しき近未来
- とにかく,管理職の仕事のたな卸しを!
- スキルマップを作って,見直す!
- 本来業務/割り込み業務を分類して定量化する
- 計画を立てるクセをつけよう
- 外を知る
- これまでとは異なるバックグラウンドの人を入れる
- メンバーの特性を分類してみる
- 改善の方向性を明確に示す
- 定義→測定→ふりかえり→改善→ふりかえりのサイクルを回す
7丁目 チャレンジしない
- こうしてチャレンジしない風土が醸成される
- なんていうか,「勇者待ち」「勇者頼み」なんです
- 「チャレンジする大義名分,空気を作る」そのための4つのコツ
- 「成功事例」よりも「先行事例」を
- チャレンジや改善は,最高の人材育成活動なり
おわりに 能力と余力と協力を作る――それがマネージャーの仕事