逆求人で就職活動での隠されたメリット「企業が僕を選んだ理由を聞ける」

いま「逆求人」という新たな採用活動が注目を浴びています。
これまで就職活動は毎年同じプロセスで進められてきましたが、最近変化が生じてきているようです。その筆頭格に「逆求人」が挙げられます。

逆求人とは

逆求人とは、大まかに言うと就活生がイベントやインターネットなどを活用して自らをアピールし、興味をもってくれた企業からのアプローチをもらうという仕組みです。
この逆求人には主に2つの形が存在します。
1つはイベント型で、もう1つはWebサービス型です。
イベント型にはリアルの場で企業と学生のマッチングを図る逆求人型の就活イベントがあります。学生が企業に対して、在学中に作った成果物についてや、自身のスキル、入社後に取り組みたいことなどをプレゼンします。その後は、企業側も自社について説明するなどしてお互いに紹介し合うのです。代表的なイベントに、株式会社ジースタイラスが主宰する逆求人イベント「逆求人フェスティバル」があります。
そしてWebサービス型にはサイトで動画や画像を使って自己PRすることで、企業が就活生をみつけて「オファー」をしてくれるというものです。代表的なサービスに株式会社i-plugが提供する「OfferBox」があります。

さて、ではなぜ逆求人という新たな就職活動が注目されているのでしょうか。
その理由は従来の就職活動が抱える非効率性です。
従来の就職活動では、就活生は気になる企業に合わせてES(エントリーシート)や自己PRを考えなければならず、また非常に多くの企業説明会に足を運ばなければならず、非効率でした。
一般的な就活生はだいたい50社ほどにエントリーするため、就活生にとって従来の就職活動のプロセスは負担が大きいのです。
その一方で、逆求人は自己PR文などは一度作成しておけば、あとは興味を持ってくれた企業からのアプローチを待つだけなので、圧倒的に効率がいいのです。

先日、逆求人イベントに参加した関西の私立大学の就活生と話す機会がありました。
そのイベントにはITベンチャーから大手総合商社まで20社が集まり、学生が企業の人事に向けプレゼン資料を用いた自己PRを行い、企業がそれを見て気になった学生とその場で1対1で面接できるというものです。
このようなイベントはたいていベンチャー企業だけ参加するものが多いのですが、大手総合商社が参加していることに驚きました。それだけ効率的な仕組みなのだと認識されているということですね。
先ほどの就活生に逆求人のメリットを聞いてみました。
就活生「一番の良さは企業によって志望動機を変える必要がないことですね。自己PR1つ作っておけば、参加することができます。あとは僕が企業を選んだ理由ではなく、企業が僕を選んだ理由を聞けることです。」

なるほど、企業が学生を選んだ理由が聞けるのは面白いなと思いました。
従来の就職活動では学生が企業を選んだ理由はあっても、企業が学生を選んだ理由を知ることはできません。
企業が学生を選んだ理由が聞ければ、企業から見た自分の強みを知ることができます。
このような理由もあって、逆求人が注目されているのですね。就活生の皆さんは、一般的な就職活動に加え、逆求人をぜひ利用してみると良いと思います。