「就活」の売り手市場だからこそ「やりたいことを明確」にする必要がある

今回は就職活動における「売り手市場」についてお話します。

最近、「売り手市場」という言葉を耳にする就活生は多いかと思います。売り手市場とは、その名の通り、売り手(就活生)にとって有利な市場ということを意味します。

実際に2017年卒の大学生の就職率は97.3%であり、調査を始めた1997年以降過去最高を記録したそうです。

(参照: 文部科学省: 平成27年度大学等卒業者の就職状況調査41日現在) 2016/05/20)

そして今後もこの売り手市場は続くとみられており、就活生にとっては喜ばしいことかもしれません。

しかしながら、その一方で優秀な学生ほど、就活を終われていないという新たな問題が発生しているようです。

優秀な学生は数多くのインターンシップに参加するが、どの企業も印象が良かったために、かえって自分がどの業界に行きたいのか分からなくなってしまう。

このような志望業界が定まらない状態で、いざ本選考に進むが、売り手市場のおかげで内定をもらうことができてしまう。

しかし、このような学生ほど、自分にはもっと良い企業があるのではないかと考え、内定後も就職活動を続ける。

つまり、「企業選びの軸を見つける」という、いつもであれば就活初期に起こりがちな悩みに「内定後」に陥ってしまい、「このままでいいのか」と迷ってしまう。

これが「就職活動を終われない学生の増加」を招いている一連の流れだという。

(参照: ダイヤモンド・オンライン: 優秀な学生ほど、就活を終われない!?「就職売り手市場」がもたらす意外な悲劇2015/05/11)

このような就活生は決してマジョリティではないと思いますが、一定数存在するのは事実のようです。

そして、当然ながら、この問題の原因は志望業界を定めずに、選考に進むことにあるでしょう。

しかしながら、この問題を就職氷河期に就職活動を行った先輩に話してみると、確かに、この問題の原因は志望業界を定めずに、選考に進むことにあるが、それは本質ではない、とおっしゃっていました。

通常は、志望業界を定めてから、その業界の企業の選考を受けるだろう。

とはいえ、正直なところ、志望業界や行きたい企業は内定後にじっくり選ぶことは全然難しくはない。

この問題の本質は、志望業界を定めることができないというそれ以前の問題であり、それは「やりたいことを明確にできていない」ということにある。

やりたいことさえ明確になっていれば、志望業界を定めるのは難しくない。自分がやりたいことができる業界にいけばいいだけの話だ。

つまり、この問題の本質は、やりたいことが定まっていないことにある。

やりたいことについては、具体的な得策はないし、それこそインターンシップやそれ以外でも4年間という大学生活の中で見つけていかなければならないことだと思う。

ということをその先輩はおっしゃっていました。

最終的には問題とは違う話になってしまったのですが、要するに、優秀な学生ほど就活を終われないというこの問題の原因は、志望業界を定めずに、本選考に進むことにあります。そして、それ以前の問題として、志望業界を定めるためには、まずはやりたいことを明確にする必要があるということです。

先ほど述べたように、今後も就活売り手市場は続くと言われています。

就活生の皆さんは、焦らずに、まずはこの時期はインターンシップなどで多くのことを学び、やりたいことを見つけ、志望業界を定めることに多くの時間を割いてみてもよいのではないでしょうか。