企業理念は必要か?その役割は?

「企業理念」というと皆様には「そんなものほんとうに重要なの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。「とにかく、給料が良ければいいや」とか、「ネームバリューがあればいい」というのも一つの考え方です。
しかし「企業理念」は、大企業ではなく、実際には中小企業においてこそ力を発揮します。中小企業には、「核となるもの」が必要だからです。
確かにどうでも良いような、判で押したような企業理念を掲げる大企業もたくさんあります。また、企業理念なんか無くても、会社は動きます。
実際、企業理念は「会社の調子のいい時」には不要です。うまく行ってる会社はそれだけで活性化しますから。
ただ、ご存知のようにどんな会社もいずれ「調子の悪い時」は訪れます。そして、企業理念は、「会社の調子が悪くなってきた時に、バラバラになってしまうか、それともかえって団結が強まるか」を左右する重要なものです。
理念を判で押したような型通りに書いている会社は、危機に弱いことが多いです。みんなお金とか、評判とか、そういった動機で働いています。事業とか、会社に対しての愛着は薄いです。
なんとか今やっていることを立て直そう、と思う前に、みんなサッサと辞めていきます。それもひとつのあり方かもしれませんが、事業としては脆弱です。
それに対して、理念をきちんと書いて、社員がそれを理解している会社は、危機に陥ると社員がむしろ活性化します。「がんばろう」「なんとかして危機を克服しよう」と。
そして、ひとつの危機は会社をさらに強くします。
もちろんおカネは大事ですし、残業代を出さないなんて法律違反をしている会社は論外ですが、それでも「人はカネだけでは動かない」というのは、真実ではないかなと思います。