「モノ」と「コト」

当社は一括請負による受託開発を得意としてきました。納期と要件を確定させ、ウォーターフォール型開発で高品質システムを納期どおりに納品させていただいております。
これからも高品質なシステム開発サービスを提供できるよう努力してまいります。このような開発のやり方は、当社が大手SIベンダー様やメーカー様をお客様としてお仕事させていく場合には、いっそう重要性を増してきます。
 
その一方で、いわゆるエンドユーザのお客様の案件に携わる場合、これまで通りの開発のやり方がベストと言えないケースがあることも実感しています。例えば、要件定義の段階でエンドユーザの要求を確定させること自体に無理がある、と感じていました。
そんなとき、以下の本(kindle版)を読んでみました。
モノとコト
『「納品」をなくせばうまくいく ソフトウェア業界の“常識を変えるビジネスモデル』 倉貫 義人(著)
概要は以下を参照ください。
https://www.sonicgarden.jp/32
 
あまりにもこれまでの常識を覆すため、批判的なレビューが書かれていたりもします。また、当社がこの本に書かれているビジネスモデルを全面的に採用することは現実的に難しいと思います。ただ内容については洞察力のある視点で書かれており、ソフトウェア業界に存在する問題や課題の本質を捉えていると思います。個人的には名著だと思いますので、時間のある方は一度読んでみてはいかがでしょうか。
 
この本を読んだ後、当社のケースに当てはめて考えてみました。
まず必要だと思ったのが、IT、ソフトウェア開発に対する意識を変えることです。当社はソフトウェア開発会社なので、ITを「目的」として捉えますが、お客様(エンドユーザ)からしてみれば、ITは「手段」でしかありません。ITを導入する目的は、あくまでもビジネスを成長させることです。
製品としてのソフトウェアが「モノ」、ビジネスを成長させるソフトウェアが「コト」であるとすれば、当社は「モノ」だけでなく、「コト」も提供する会社になっていかなければならないと思っています。
 
時代や世の中の状況が変わっていくように、仕事のやり方も変えていかないといけない部分もあると実感しています。変えるべきでない点、変えていかなければならない点を見極め、ソフトウェア開発のやり方の幅を広げていき、お客様の満足と信頼を得られるようチャレンジしていきます。
以上