IoT/M2M展 レポート

2017/05/12(金)に、
Japan IT Week 春(http://www.japan-it.jp/haru/)内で催されたIoT/M2M展に行ってきました。
現在のタスクの都合で、IoTのソリューション選定を目的に見に行っています。
IoT自体が、あらゆる分野、あらゆる技術、あらゆる業種の組み合わせのサービスなので、もはや、開発者1人の力だけではどうにもならないくらいに、とても守備範囲が広いものになっています。
いろいろなプロダクトの組み合わせで、顧客の問題を早期解決できるよう、開発者は多くの分野の勉強が必要と思います。
下記、出展されているプロダクトで、気になった(利用してみたい)ものを記載しています。
【ALPS センサネットワークモジュール 開発キット 】
http://www.alps.com/j/iotsmart-network/
手軽にデバイス連携を試すことができます。端末とデバイスをBlueToothで接続するので、「IoT」そのものではなく、デバイスからのデータを取得する仕組みを検証するのに非常に便利と思います。
導入難易度:☆☆☆☆☆(ミニマムスタート&楽チン手順)
コストパフォーマンス:☆☆☆☆☆
IoT度:☆☆(M2Mまで)
【CTC Anoto Live Digital Pen】
http://www.anoto.co.jp/anoto_technology/digital_pen.html
紙に記載した内容がノンストップで、連携されます。記載する用紙は、独自の印字が必要ですが、紙とボールペンの運用から、どうしても変更できないが、効率化を図りたい場合に力を発揮しそうです。
運用への変更影響:☆☆☆☆☆(紙から、電子へスムーズに移行)
コストパフォーマンス:☆☆☆(初期コストが大変かもです。)
【CTC IoT デジタルLAB ワークショップ】
http://www.ctc-g.co.jp/solutions/tsc_bpl/index_h.html
(デジタルLABの紹介ページです)
デジタルLABでは、プロセスフレームワークを利用して、ユーザのイノベーション・ソリューションの創出を目的に、ワークショップを実施しているそうです。
「IoT」に振り回されているユーザ企業向けの商品に思えます。
無駄なシステム導入がなくなる度:☆☆☆☆☆
コストパフォーマンス:☆☆(価値がわからないと高い印象)
【Supreme Moptar】
http://www.supreme-system.com/product/moptar/index.html
導線分析ツールです。リアルタイムモニタリングも可能です。
何度か、こちらの出展を目にするたび、位置情報の精度が高いのに目を引きます。
以前は、「ヒト」のみを感知して、個人を特定する仕掛けを排除していたと記憶していますが、今回のバージョンで、従業員をトレースする仕組みが設けられています。
利用できるデバイスが多いので、導入しやすい印象ですが、データはこのプロダクト独自のものなので、データ連携を行う場合、インポート・エクスポートの工夫が必要そうです。
位置の精度:☆☆☆☆☆
小売店向け:☆☆☆☆☆(マーケティングに力を発揮?)
内製適応度:☆(データが。。。)
【NEC STAR System】
(紹介サイトなし)
大きい敷地を持つ企業なら、かなり応用ができると思います。
パッシブRFIDタグを、約4万平方メートルの範囲で、受信可能だそうです。
パッシブRFIDタグは電池を使わないので、いろいろな用途で利用できそうですが、受信機のエリアがあまり広くなかった(約10m四方)ので、広範囲での利用はコストがかかりました。
しかし、このプロダクトを利用すると、これまでRFIDの導入にコスト面で二の足を踏んでいた企業は、コストを大幅に削減できると思います。
要件が合えば、すぐに導入したい度:☆☆☆☆☆
初期導入コスト:☆(高いです。PoCで、100万から数百万)
もしかしたら、技術的に同じ?:Mojix STAR system
【+ NEC セミナーを聞きました。】
「IoTを成功に導く、PaaSの活かし方」を聞きました。
プレゼンでは、デバイス-ネットワーク-サーバ(クラウド)-アプリのそれぞれで、責任を分解し、各レイヤでNECのプロダクトを活用できる仕掛けになっていました。
デバイス-ネットワーク-サーバ(クラウド)-アプリは、それぞれ分解しておくと、 いろいろなベンダ・システムを導入しやすいので、拡張・応用がしやすいシステムになります。
IoTを本気で取り組むと、技術・業務範囲の大きいシステムになるので、開発者としては、初期導入段階で、拡張・応用しやすいアーキテクチャにしておきたいです。
【CONTEC M2Mゲートウェイ】
http://www.contec.co.jp/product/conprosys/gateway/
PLCの情報を参照できるので、IoTにおける情報収集フェーズで、製造業務と設備監視を切り離すのに、便利と思います。
PLC:工場の生産活動に注力
ゲートウェイ:設備を監視
Proface、オムロン、タケビシなど競合があるので、現在の利用している設備やシステム構成を確認して、最適なものを選定する必要があります。
システムの疎結合を助ける度:☆☆☆☆☆
レッドオーシャン度:☆☆☆☆☆(全く同じターゲットのプロダクトは多いです。)
【ビジョンクリエイト IQP】
https://www.vision-c.co.jp/iot/
もともと、IQPというツールがあって、それをビジョンクリエイトさんが販売していました。
超高速開発ツールが、IoT、または、M2Mに特化したパッケージの印象です。
後述するToamiと比較すると、データベースまでのデバイス連携を自前で設置する必要がありそうですが、その分、年間使用料が安く済みそうです。
システムの疎結合を助ける度:☆☆☆☆☆
デバイス連携度:☆
【システナ IoT PoCサービス 】
(紹介ページがないのが残念です)
これ、とてもいいなと思いました。IoTを検討している企業向けのPoCを肩代わりしてくれます。
「IoT」に、(ビジネスやシステムの範囲が広いので)ベストプラクティスや定石がありません。
ユーザがかなえたいニーズと、それをかなえるシステム検証を、ミニマムなコストで進められそうなサービスと思います。
開発者がいないユーザ企業へ向いている度:☆☆☆☆☆
【インテック i-LOPかんたんパック】
https://www.i-lop.com/
手軽にPoCを行えるサービスはとても助かります。
i-LOP自体は、スマートフォン向け位置情報サービスです。
移動体は、必ず、スマートフォンを持つ前提の業務なら、PoCに利用しやすいと思います。
かんたん度:☆☆☆☆☆
コスト:☆☆☆☆☆
利用用途の広さ:☆☆(スマートフォンを持つのが条件)
【iSTC 製造ラインモニタリングサービス】
http://istc.co.jp/service/index.html
会社概要で、所在地が旭鉄工になるので、察した人もいると思います。
製造業に特化したIoTソリューションです。
パトランプや部品の通過部分などに、センサーを取り付けることで、手軽に生産数・サイクルタイム、停止時刻が取得できるので、スモールスタートが可能です。
使用料がライン数(≒デバイス数)で決定するので、大規模に導入する場合は向きません。
導入スピード:☆☆☆☆☆(2時間!)
町工場のIoT化:☆☆☆☆☆
拡張度:☆ (大規模に向きません。)
【NSW Toami】
http://www.m2m-cloud.jp/
「IQP」と「製造ラインモニタリングサービス」をマージしたくらいに範囲の大きいサービスです。
デバイスからのつなぎ込みから、アプリケーション開発までカバーします。
ユーザは、1日の教育メニューを受ける必要がありますが、IoT/M2M導入難易度は大きく下がるソリューションと思います。
ただ、デバイスごとに課金するため、デバイスが大量である企業は「IQP」と比較してもいいかもしれません。
手取り足取り度:☆☆☆☆☆
カスタマイズのしやすさ:☆☆☆☆☆
コスト:☆☆ (デバイスごとの課金が気になりました。)
以上、レポートでした。
ホームページ http://www.ois-yokohama.co.jp/
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