技術者は怠け者であれ。

技術者は怠け者であれ、と言うと誤解を招くかもしれないが、これは真実だ。
といっても、「働かない」という意味の怠け者ではなく「面倒なことはできるだけ無くす」という意味での怠け者のことだ。
具体的には、怠けるために、次のことをする必要がある。

1.自分で考えてもわからないことは、人に聞く
2.2度と同じことで悩まなくて済むように、自分で手順書を作る
3.自動化できることは、極力自動化する
4.テキストエディタなどの使い方に精通し、やらなければならないことは手早く終わらす
5.繰り返しタスクは手順をできるだけ減らしていく

このように、技術者は怠け者であればあるほど、生産性が高くなる方向に動く。

技術者の良し悪しは本質的に「極めた技能を持っている」という話ではなく、「要求された仕様を以下に生産性高く実現するか」にあるのは、周知のとおりであるが、それを実践することはそれなりに難しい。

「怠け者であれ」というメッセージは、一見変わったことを行っているように見えるが、本質的な示唆を含んでいるのである。