日本のApple Pay導入が意味すること

大方の予想通り、iPhone7が大ヒットしています。

発売当日分の予約は、予約開始以来あっという間になくなり、Jer Blackなどカラーによっては、現在でも3-4週間待ちとなっています。

 

なぜ今回このように大ヒットしているのか?
特に、今回のiPhone 7には、皆を驚かせるような新しい機能はほとんどないのにです。冷静に考えると、iPhoneの代名詞である「イノベーション」はどこにもないのです。

 

日本ではiPhone 7大きく話題になっているその1つの原因としてApple Payがおサイフケータイ機能を伴って、日本で利用可能になったことが挙げられます。
それは、日本では他のスマホではほぼ標準装備されており、日本人にとって何ら新しいことではありません。ただ単に「iPhoneでおサイフケータイ」が使えるようになる。ただそれだけのことなのですが、それが大きなインパクトをもたらしそうなのです。。
Apple Payでおサイフケータイが使えるのは、当たり前じゃないかと思う人もいるかもしれませんが、もともとApple Payに搭載されていたNFCと呼ばれる近距離接触通信はTypeA/B方式と呼ばれるもので、日本の電子マネーで使われているFeliCaとは方式の違うでした。つまり、今回Appleは、ほぼ日本でしか使われていないFeliCa方式を日本での開始と同時にわざわざ組み込んだのです。
日本ではおサイフケータイが使える場所がとても幅広く、駅の改札で使うSuicaをはじめコンビニでの電子マネー決済まで、ありとあらゆる場所で普及しています。
他国のApple Payのように店側が端末をわざわざ設置しなくても、すでに端末が普及している日本では設置しなくてもいきなり使えてしまうのです。

 

だからこそ、日本人ユーザーの多くにとっては恩恵が大きいのです。アンドロイドケータイで「電子マネーが使えない」という理由でiPhoneを選択肢から外していた人や、iPhone4や5で満足し新機種を買う必要性のなかったユーザーの需要を一気にとりこむ可能性があるのです。

iPhoneは人々の生活スタイルを変えてしまったという意味では、21世紀の伝説的なプロダクトであることは間違いないでのすが、iPhone 7にイノベーションがあるかと言えば、もうすでにスマートフォンとしては成熟期になっており、ないと言わざるを得ません。ただし、Apple Payによるおサイフケータイを採用した今回のように、頭打ち思われていたシェアをを伸ばせる余地があることを今回の件でまざまざと見せつけました。
そういった意味で、日本でのApple Pay導入は大成功だったと言えるでしょう。

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