若い時に「就職」か「起業」かを悩むのはナンセンス

今回は「就職か起業か」についてお話します。

12月末にもなり、多くの大学3年生はインターンシップに行ったり、ESを書いたり、と徐々に就職活動を始めている時期かと思います。

そのような大学生がいる一方で、進路に悩んでる大学生もいるかと思います。

大学卒業後の進路としては以下の3つが主な進路になるかと思います。

・就職(ほとんどの学生)

・起業(マイノリティ)

・進学(理系だと普通ですかね)

今日は、この中でも「1度就職してから起業するのか、すぐに起業するのか」について考えていきたいと思います。

おそらく多くの人が、1度企業へ就職することでしょう。大学卒業後に就職せずに、あるいは在学中に起業する人は圧倒的に少ないと思います。

とはいえ、就職せずにすぐ起業したいと考えている人も一定数いるかと思います。

では、双方のメリット・デメリットを分析してみましょう。

1度就職してから起業

メリット

・スキルが身につく

・資金面に余裕ができる

・仕事関連のネットワークができる

・リスクが少ない、というかほぼない

デメリット

・少なくとも3年はその会社に時間を当てる必要がある

・起業したいという気持ちが薄まる可能性がある

すぐに起業

メリット

・やりたいことに没頭できる

・周りからの評価は高い

デメリット

・資金面に余裕がない

・一部の学生以外、スキルはない(特に文系)

・規模が小さくなりがち

・失敗した時のリスクは大きい

このようにしてみていくと、すぐに起業する方にはデメリットが多いように感じます。

すぐに起業するとことのメリットはやはり、やりたいことに没頭できることでしょう。1度企業に就職すると、3年はその仕事を頑張る必要が出てきます。そうじゃないと、就職する意味ないですしね。

とはいえ、資金面が非常に大きなハードルとなるでしょう。

1人家電メーカーとして話題となっている株式会社UPQの中澤優子氏は、先日、私が参加した大学の講義にゲスト講師としてこられ、そこでは、学生の起業についてこう言っていました。

「一度就職してから起業すべきだと私は思います。大企業で学べることは本当に多いし、必ず成長できます。学生ベンチャーのコンテストのようなものによく呼ばれていくんですけど、ハードウェアの企業はまだしも、ITで起業している大学生を見ると、ちょっと資金調達をしたくらいで満足してしまっている印象があります。しかもその中でも成功するのはほんの一握りです。まあそういう人はよく本質をわかっていますけどね。」

やはり、どうしても学生は資金面に余裕がないため、起業するとなるとITサービスが多くなってしまいますよね。

中澤氏はそれについて、疑問を呈しており、学生の起業には否定的です。

しかしながら、このような就職か起業かという極端な選択をせずに、双方のメリットを取るという方法もありだと思います。

はい、つまり就職をして働きながら、起業するのです。

そんなの無理だと思われた方もいるでしょうが、実際にそれで成功された方もいます。

それは会員制転職サービスを提供している株式会社ビスリーチの南壮一郎氏です。

南氏は「草ベンチャー」という手法で株式会社ビスリーチを起業したそうです。

南氏は草ベンチャーについて以下のように言っています。

「いきなりベンチャー企業を立ち上げるほどの資金もない。集まってくれたみんなには『これは草野球と一緒だ』と話しましたね。みんなベンチャーをやりたいと思っているけど、家族がいたり経済的な理由があってできない。だけど、週末は草野球や飲み会に参加して、自分の好きなことに時間を使っている。『その時間で草ベンチャーをやろう』と話したんです。たしかに都合がいいと言われれば都合がいいかもしれない。だけど、その言葉がみんなの心に刺さったんですよね。」

(Bizpow 草ベンチャーから始めよう。求人業界に革新をもたらした成長企業は「仲間探し」から始まった。ビズリーチ代表・南壮一郎インタビュー 2015/10/29)

結論としては、やはり、すぐに起業するというのは大きなリスクが伴うのも事実です。南氏のように、就職か起業かという極端な選択肢を選ばずに、双方のメリットを取る手法を選んでもいいと思います。

しかしながら、自分がこれをやりたい!という風に、本気で思えるのであれば、すぐに起業するのも良いことだと思いますし、たとえ失敗したとしても必ず成長できると思います。

アメリカでは、最近”YOLO”という言葉が流行っています。

これは、You Only Live Onceの省略形で、意味は「人生一度きり」です。

やりたいことがあったら、ぜひチャレンジしたほうが良いと思います。