就職活動で一番聞かれる質問は志望動機ではない

2018卒の就活生の皆さんは、数多くの面接をこなしたり、また大学の授業に参加したりと忙しい日々を過ごされていると思います。

選考では、無事に書類選考を突破すると、面接試験が待っています。当然のように、面接試験は就職活動において最重要ポイントとなります。

多くの就活生は事前に面接で聞かれるだろう質問を予測し、その回答を用意していることでしょう。それは面接で良い評価を得るためには、非常に重要な点ですし、皆さんの気持ちも楽になることでしょう。

特に志望動機や学生時代に頑張ったことなどの頻繁に聞かれる質問に対して、あらかじめ回答を持っておくことが大切です。

さて、では皆さんは面接で一番聞かれる質問は何だと思いますか?

答えは、志望動機や学生時代に頑張ったことなどではなく、面接の最後にいつも聞かれる「最後に何か質問はありますか?」です。間違いなく、この質問が一番多くされます。

それなのに、この一番聞かれる質問「最後に何か質問はありますか?」に対して、回答を準備していない就活生が多くいるような気がします。

まさかですが、この質問に対して、「特にありません」と回答している方はいませんよね。この質問にこそ、自分なりの回答、言うなれば「逆質問」を準備しておくべきでしょう。

最近就職活動において、学生側の質問に関する面白い記事がありました。

(投信、【就活生】人事部が絶対に採用したい学生の質問4選(2017年度版)  2017/05/04)

この記事では、「最後に質問はありますか?」に対する効果的な質問、キラークエスチョンが4つ紹介されています。

  • 御社は将来に向けてどのようなポジションを目指すのでしょうか?

その企業が既に業界No.1であれば、どのようにしてそのポジションを維持していくのか、また下位の企業であれば、どのように存在感を高めていくのかといった会話が展開されることでしょう。

この質問を最後にされて、すらすらと返せる答えを持っている面接官は多くないと思います。経営者でも悩みのポイントであるはずなので、実はこの質問をされたときにムッとする人は少ないと思います。むしろ、どう思う?なんて聞かれて話がざっくばらんになり、盛り上がることもしばしばです。ここで学生が、自分の意見やその企業が展開すべき戦略を論理的に話すことができれば二重丸です。

  • 御社の利益率を上昇させるためにはどうしたらよいでしょうか?

まず、採用担当者が自分の会社の利益率が頭に入っているかどうかを学生がチェックすることができます。実は、上場企業で会社の決算資料もわかりやすく外部に公開されているようなケースでも自分たちの会社の利益率を知らないという人は多いです。

エンジニアなどで「私は関係ないし」というようなコメントもよく聞かれますが、そんなことはありません。自分のかかわっている事業が社会的にどの程度の付加価値を見てもらえているのか、また競合企業に対してどのていどの競争優位を確立できているのか、自社の経営は効率的化などを理解するために大切な指標です。

  • (面接官に対して)あなたが入社して一番達成感があった出来事は何ですか?

まず、この質問を採用担当者が前向きに捉えてくれるケースは、何かを自慢したい人です。採用側も人間ですから自分のことを聞かれればうれしいですし、自分の成果を話してくれれば、面接が打ちとけた雰囲気になることは間違いないでしょう。

この質問への採用担当者の回答が貧弱だったり、聞かれてイラッとする採用担当者や面接官であれば学生もそれまでの会社だなと割り切ることができます。学生も聞かれるばかりではなく、面接官の力量を測る質問をぶつけてみましょう。

  • (面接官に対して)あなたが今一番不安なことは何ですか?

この質問も使い方を間違えると面接の雰囲気が悪くなってしまいますが、面接官といえでも人間です。不安なことがない人はいません。実際にこの質問がテーマになる場面を目にしたことがありますが、話題が会社や業界、ひいては個人的なものにまで及ぶことがあり、一つ一つを丁寧に拾っていけば、お互いが分かり合えるきっかけとなります

私は、「3. (面接官に対して)あなたが入社して一番達成感があった出来事は何ですか?」の質問が一番のキラークエスチョンだと思いますし、何より就活生の皆さんにとっても非常に有益な質問になるでしょう。

ちょうど数ヶ月前に、飲料メーカーを志望しているという就活生と食事をする機会がありました。彼は日系企業でグローバルブランドである飲料メーカーを第一志望に据えており、その企業のOB/OG訪問などに一生懸命に取り組んでいました。

私は気になったので、「なぜそこまでその企業にこだわるの?」と質問してみました。

彼はその企業のインターンシップの面接で、「最後に何か質問はありますか?」と面接官から聞かれたので、先ほどの質問「入社して一番達成感があった出来事は何ですか?」と尋ねたそうです。

彼が質問した面接官の方は、以前は国際部に所属しており、途上国で健康飲料を広める業務をしていたと言います。

そこで栄養不足に苦しむ現地の人にその健康飲料を勧め、それを飲んだ現地の人に「これを飲むようになってから、体の調子がいいよ」「おかげで病気にかからなくなった」などと感謝されたことが一番達成感があった仕事だと、面接官は回答したようです。

彼はその面接官のストーリーに感動し、自分もこの仕事をしたいと思い、その企業を第一希望に据えたとのことです。

彼の質問「入社して一番達成感があった出来事は何ですか?」は、面接官に好印象を与えられるだけではなく、その企業ではどのような仕事が行われているのか、などに関する具体的なストーリーを引き出すことができます。これは、就活生にとっても、非常に有益なことですよね。

皆さんも是非、一番聞かれる質問「最後に何か質問はありますか?」に対するキラークエスチョンを用意しておきましょう。

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