名選手と名監督の話

よくスポーツの世界では「名選手、名監督にあらず」などと言われることがあります。

これは名選手だった人が必ずしも指導者としても優れているとは限らない、という意味です。

ビジネスの世界でも同じようなことは言えると思いますが、
私の感覚ではビジネスの世界においては、

名監督は名選手であることが多い

ようにも感じています。

 

例えば、

システムエンジニアとして数名のプログラマーにコーディングやテストなどの作業を指示する程度であれば、確かに優れた技術者であっても、必ずしも後輩技術者の指導や育成する能力が高いとは限りません。
しかし、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーといった、プロジェクト管理者となると話は違ってくると考えています。

 

ここでいう選手とは技術者であり、監督とはプロジェクト管理者を指しています。

 

大抵のスポーツでは運動能力が最も重要な要素であり、必ずしも優れた運動能力がなく選手としては結果を残すことが出来なかった人でも、運動能力以外の例えば、状況判断能力や自己管理能力など優れた能力を持っていることによって、名監督になることはできると思います。
また、実際にスポーツの世界ではそのような人が沢山います。

 

一方、コーディングスキルがない技術者が経験の浅いプログラマーを正しく指導することや、日頃の業務で自分ひとりのスケジュール管理もできていない人が、自分以外の人のスケジュールをうまく管理することも簡単ではないことは想像に難しくないと思います。

 

絶対に「名選手(優れた技術者)=名監督(優れた管理者)である」ということが言いたい訳ではなく、どちらかといえば、ダメ選手=ダメ監督、もしくはダメ選手≠名監督という表現の方が近いかもしれません。

少なくとも私はこれまでダメ選手が名監督になったところを見たことがありません。
そもそもダメ選手が監督に抜擢されることはそうそうあることではないですが…。

名監督は名選手であることが多い

みんながみんな監督(管理者)を目指す必要はないですが、もしも将来自分が監督になりたければ、先ずは名選手とまではいかないまでも「そこそこやれる選手」を目指してほしいと思います。

そして、自分よりも優れた能力を持つ技術者達をも上手くまとめることができる管理者を目指してほしいと思います。

 

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