医療情報システムの相互接続性プロジェクト「IHE」

「IHE」(Integrating the Healthcare Enterprise)とは

医療情報システムの相互接続性を推進するための国際的なプロジェクトです。


病院に導入される医療情報システムは複数のメーカーによるシステムや機器によって構成されます。

たとえば、画像診断機器から発生する画像情報を独自のサーバーに保管し利用するシステムを導入する場合、画像診断はA社の機器を導入し、画像サーバーはコストの面からB社を採用する、といった具合です。

ただ、昔は開発メーカーが独自のデータ形式で画像情報を作成していたため、
A社の画像診断機器で作成したデータがB社の画像サーバーには
保管できないといった問題があり、
他社の装置やシステムを利用することは容易ではありませんでした。

そこで生まれたのが「DICOM」(Digital Imaging and Communications in Medicine)と呼ばれる医用画像情報の標準規格でした。

この規格は、医療機器やシステムを問わずに情報の送受信を可能とする規格です。
他にも電子カルテなどの医用文字情報の標準規格である「HL7」(Health Level Seven)なども登場し、理論上は異なるメーカーのシステムや医療機器間で相互接続が可能となりました。

しかし実際には医療情報システムの利用方法は運用状況により様々であり、標準規格をどのように使って情報連携を行うかというルールが不明確でした。
また、標準規格の解釈の仕方もメーカーによって異なるため、標準規格を導入するだけでは円滑な連携・送受信の実現は困難だったのです。

 

IHE はこうした問題を解決するため、医療現場での一般的なワークフローを「統合プロファイル」、その統合プロファイルに沿ったシステム連携を実現するための標準規格の使い方を「テクニカルフレームワーク」と呼び、メーカーを問わずに連携できるシステム構築をするための「ガイドライン」を提案しています。

ガイドラインや標準規格は、日々変わる医療現場に合わせて毎年更新されます。
内容が膨大なので個人がすべてを把握することは困難ですが、一般に公開されており、だれでも閲覧できるようになっています。
医療情報システムは開発して終わりではなく、必要な情報を最新の内容で反映し続けていくことも重要です。

 

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