ほんの少し表現に気を使うだけで、劇的に仕事のやりやすさは変わる

技術者はコミュニケーション能力に問題あり、と言われた時期もありましたが、現在は技術者にこそコミュニケーション能力が求められています。
しかし、コミュニケーション能力といってもその範囲は広く、一口に何を改善すればよいのか、という話にたいして正確に答えるのは簡単ではありません。

ただ、現場で一番有用な「コミュニケーション能力」は、ほぼ間違いなく「言い方」や「表現」ではないかと思います。
例えば、お客様に「それは現状のシステムではできません」ということを伝えたいとき、次の2つの表現ではお客様の納得感がかなり違うのではないでしょうか。

・お客様の要望ですが、現状のシステムではデータベースに不整合があるためできないと思います。
・お客様の要望ですが、現状のシステムで可能性を検証しました。データベースの不整合さえ解決できればなんとかなるのですが、修正することは可能でしょうか?

最初の言い方ではお客様の求めに対して拒絶の態度を示しています。
2番めの言い方では、今の状態では無理、と1番目の返事と同じことを伝えつつも、この条件さえクリアすればできる、ということによりお客様に受け入れられやすいように提案を行っています。

表現を変えることによって顧客の受ける印象は天と地ほども異なります。よって、コミュニケーション能力の高さは仕事をやりやすくします。
技術者は、このようなコミュニケーション能力を磨き、顧客と近い場所で働かなければ生き残ることは難しいのではないかと思います。