部下と張り合ってしまう上司について。

技術者同士は、お互いが自分の腕に自信を持っているので、思わずお互いと張り合ってしまう、ということがあります。
もちろん競い合うことは良いことですし、切磋琢磨しあう中で、会社全体の技術レベルが向上するのは歓迎すべきことであるのは間違いありません。

ですが、「上司」と、「部下」が張り合ってしまうのは、少々考えものです。なぜならば、関係が対等ではなく上下関係があるからです。

上下関係がある中で、部下と上司が張り合ってしまったらどうなるでしょう。当たり前ですが、必ず上司が勝ちます。そう行った権限を持っているのが、上司だからです。
しかし、それには代償もあります。
部下は、上司から「拒絶された」と思うのです。拒絶は、長い間つづくと、不信に変わります。

したがって、基本的には上司は部下と張り合ってはいけません。
上司の基本的な役割は、部下を受容し、その行動を支えることです。たとえそれが一時的に間違ったものだとしても、やり直しが効く限り、任せて見守るのが上司の役割と言えます。

上司が部下の信頼を得たいなら、まずは「部下のほうができることがたくさんある」と認め、その能力を発揮させるサポートに徹すること。これが、マネジメントの技術です。