社内研修「HTTPから学ぶTCP/IP基礎」(9)

前回までHTTPのリクエスト・レスポンスについて説明をしました。
今回はプロキシサーバについて説明をしたいと思います。

プロキシサーバとは

将棋や囲碁のプロのことではありません。
プロキシとは代理という意味を持っており、WebブラウザからWebサーバへのアクセスを直接するのではなく、プロキシサーバを介して行います。
プロキシサーバの役割としては、大きく以下の4つがあります。
・特定のWebページを表示しない、または特定のWebページのみ表示するなどのフィルタリング機能
・アクセスログの一元収集
・プロキシサーバを通すことで、社内のPCがインターネットに直接さらされるのを防ぐ
・コンテンツをキャッシュすることで、素早くWebブラウザに返すことができる
この中でも特に1番目と2番目の役割が大きいです。
3番目の社内のPCがインターネットに直接さらされるのを防ぐことについては、ファイアウォールやルータに具備されていますし、4番目のキャッシュ機能は通信速度の向上や動的なWebサイトの増加、HTTPのキャッシュ機能が高度化したこともあり、プロキシサーバではあまり重要視はされません。

 プロキシサーバの使い方

InternetExplorerやMicrosoftEdge、Chromeであれば、コントロールパネルのインターネットオプションから設定可能です。Firefoxの場合はブラウザの中で設定します。
http9-1

プロキシを使用しない場合と使用した場合、通信は以下の図のような形になります。
http9-2

プロキシを使用した場合のHTTPの中身

http://www.ois-yokohama.co.jp/about_us/
上記URL(当社の会社概要です)を閲覧する場合を考えます。

プロキシを使用しない場合

まず、プロキシを使用しない場合は、以下の内容でWebブラウザからWebサーバにリクエストが送られます。宛先はWebサーバを示します。
http9-3

プロキシを使用した場合(Webブラウザ~プロキシ)

Webブラウザからプロキシサーバまでのリクエストは以下のようになります。
http9-4
ポイントは、
・宛先はプロキシサーバ
・開始行のURLは絶対パス
第1回でも軽く触れていますが、「プロキシを使用している場合は絶対パス」となります。絶対パスにすることで、プロキシサーバがどこにリクエストを送ればよいかが分かります。

プロキシを使用した場合(プロキシ~Webサーバ)

では、プロキシサーバからWebサーバへのリクエストはどうなるかというと、
・開始行の絶対パスで書かれたURLから宛先を設定
・開始行のURLは相対パスになる
・メッセージヘッダにViaヘッダフィールドが追加され、プロキシサーバの情報が書き込まれる
http9-5
プロキシサーバはただ通過するだけではなく、通過時に閲覧可能Webサイトのフィルタリングやログ収集をすることで、情報セキュリティの向上に一役買っているのです。
第9回はこれで終わりです。
「HTTPから学ぶTCP/IP基礎」は、今回でやっと「HTTP」の部分が終わりました。
引き続き、次回から「から学ぶTCP/IP基礎」に入っていきます。]]>