あなたのキャリアは、あなた自身が考えなくてはいけない。

最近、「キャリア設計」が非常に難しくなってきていると感じる。というのも、終身雇用の崩壊、技術の変遷の速さ、賃金格差の増大など、全てのキャリアを取り巻く状況が、大きく変わりつつある時代だからだ。

かつて、終身雇用は「その会社の中でのキャリアアップ」をある程度は保証してくれていた。長く勤めれば、ある程度の賃金は確保されていく、そんな時代だった。
ウェブの技術が登場する前、コンピュータは一部の技術者のものだった。そして、コンピュータが利用されるシーンは極めて限られていた。今は違う。
そして、その結果としての賃金格差の拡大。アメリカではすでに最上位の技術者と、最下位の技術者の生産性の差が数百倍にも達しているとのことだ。
昔はそのくらいの生産性の差があっても、賃金に大きく差がつくことはなかったが、いまは違う。生産性の差が、賃金の差だ。日本においても、同期のなかで2倍、3倍、時には6倍もの差がつくことは珍しく無い。

したがって、現在会社は「正解のキャリア」を用意することはできない。用意したとしても、恐らくそれは3年、長くても5年程度で陳腐化する。

その陳腐化のスピードに対抗するには、結局「キャリアは自分で考えるしかない」と認識することが必要だ。自分の目で見て、耳で聞いて、そして自分の頭で考えたキャリアを、自ら選択することしか、後悔しない方法はない。

かつてキャリアは会社が用意してくれた一本の道だった。
今は誰も用意してくれていない。
大草原の中の無数の未知の中から自ら周りの風景を見て選び出すことだ。